ブリーダ [お気に入りの本]
駅の改札を出た瞬間、「今日は図書館に寄るんだ」と思い出す。
昨夜、「リクエストの本が届きました」とメールが来ていた。
少し急ぎ足で、帰路を急ぐ。
半地下の図書館の入り口前の階段を駆け下り、自動ドアの前でちょっと息を整える。
図書館特有の静かなざわめきを壊さないよう、ゆっくり滑りこむ。
カウンターで、カードを差し出し「リクエストしていた本が届いているそうなので・・・」
すぐ奥から取り出してきてくださった本は、
パウロ・コエーリョ 著 木下眞穂 訳
「これで間違いありませんか?」
「はい!これです。」
手に取る・・・柔らかい装丁・紙の色・字体・・・すごく大事な1冊に出会った予感がする。
「ありがとうございます。」
帯の文言に目を落とす。
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「アイルランドの女子大生ブリーダの、英知を求めるスピリチュアルな”旅”とは。
”旅”を導くのは、ふたりの師。
恐怖を乗り越えることを教える男と、魔女になるための秘儀を伝授する女。
ふたりから特別な”力”があるとみとめられたブリーダだが、自分の道は自らの手で切り拓かねばならない。
実世界との結びつきと、刻々と変容していく自分自身との狭間で、ブリーダの心は揺れる―。」
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いつもなら、図書館の帰り道、歩きながら読み始めてしまうけれど、
この本だけは、アクセク先を急いで斜めに読むようなことはしたくない。
遅い夕食の片付けの後、お茶を入れてようやく本を開く。
ちょっと反則よね・・・と思いながら、後ろの「訳者あとがき」を開いてしまう。
訳者、木下眞穂さんの穏やかな口調の解説と感謝の言葉に、木下さんの顔を思い浮かべる。
あの穏やかなオーラの中に、こんな知性が隠されていたなんて・・・。
木下さん、ありがとう!
大事に読ませていただきました。
そして、本当に素敵な本でした。
いい本を読んだ後って、世界が違って見えます。
ちょっとスピードを落として、丁寧に生活したくなりました。
ご感想をありがとうございます。嬉しくて何度も何度も読み返してしまいました。花束の一員となる前、(苗)さんのコメントを楽しみに読んでおりました。そのご本人にこうしてお言葉を頂けるなんて・・・言葉もありません。ありがとうございます。
by kino (2009-10-15 23:53)
恐縮です。
こちらこそ、ありがとうございます。
久しぶりに、ゆっくり丁寧に本を読む楽しさを味わいました。
最近いつもビジネス書の斜め読みばかりだったのね。
そして、署名「苗」を目にして嬉しくなりました。
本の花束のメンバーをしている時って、本の評価=自分の価値観とのすり合わせが続くので、自分が何が好きでどう進みたいのかがどんどん鮮明になっていった気がします。
木下さんのますますのご活躍をお祈りいたします。
by ビオラママ (2009-10-18 16:45)