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かけがえのない、大したことのない私 [お気に入りの本]

好きな本に「ぼーっとしようよ養生術」というのがあります。
調子が下降気味になると必ず読み返すようにしている本です。
この本に関しては、またお話したいと思いますが・・・。

その本の著者田中美津さんがウーマンリブ運動の旗手であった事を知りませんでした。
かけがえのない、大したことのない私
生活クラブの「本の花束」の会議の際、課題として用意された本の中に、この「かけがえのない、たいしたことない私」はありました。
正直、持ち帰るのに若干抵抗がありました。
私には荷が重い本かもって・・・。

ウーマンリブ=70年代に、女性に対する差別や制約をなくそうと、女性解放を唱えた運動。
当時10歳くらいだった私は、なぜかあまりいいイメージで記憶していません。
テレビに映る女性活動家の映像は、やたら先鋭的で、なんかワアワアやってるって感じで。

私たちは、自分で判断しているようで実はそう思わされている事が多い。
テレビで放送される様々な映像の隠された意図に気づかず誘導されていたり。
私にとってのウーマンリブのイメージもそうやって刷り込まれたものだったようです。

仕方なく読み始めたのに・・・とんでもなくおもしろくて。
マルかバツかの硬い枠でなく、マクロな視点から重箱の隅をつつくような卑近な話から、なんでもありでいて暖かい田中美津さんの生き方に、読後ほっとしました。

そして「ありのままの自己を生きるのは一定した人格を生きる事とはおよそ反対の事」という言葉にすごく気楽になりました。

学生時代、恐る恐る踏み込んだ学生運動の流れ。
両親からは決して近寄らないように言われていたのに。
・・・・・。
でもなにかいつもココロがひけてた。
哲学や文学を勉強している友がとうとうと熱っぽく語る言葉に、わかったふりして「そうだよね、うん」なんて言いながら、本当はよくわかってないのに「わからない」って言えない自分。
集会のさなか、今晩のおかずの事を考えて恥ずかしくなったり。
いつの間にか、距離を取り、自分から離れていった。
その友に道で会いそうになると、慌てて気づかないふりをしたり、会ってしまったら作り笑顔で「やあ」なんて、でも目が泳いでたり・・・。

年を重ねて、ようやく分からないことを「わからない」と言えるようになりました。
そして、ココロがカラダが「何か変だ。どうもおかしい。」と思うことに、ちょっぴりアクションする事は、ミーハーでも日和見でもないって・・・ようやく思えるようになったんです。

エコって言いながら、夜いつまでも電気つけて起きてるの・・・なんて事たくさんです。
今夜のおかずに悩み、日本の行く末をちょっと心配し、ケーキバイキングが好きで、でも食料の自給率が気になり・・・。
それは矛盾してるんじゃなくて、「やれることはちょっとやってみようかな」って事でいいよね。
「何から何までちゃんとやれないとダメ」って思ったら、「やれない時」が後ろめたくなってしまう。

みんなが、少しずつできることを出し合えば、それは「すごく完璧にやってる人1人分」より大きい・・・でしょ?

たいしたことない私たち。
でもみんなでほんの一歩ずつ踏み出せば、それはかけがえのない流れになっていくのではないでしょうか?

明日、東中野のポレポレに「六ヶ所村ラプソティー」を見に行ってきます。


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コメント 4

パク

私も年を重ねて、やっと自分が出せるようになってきたように思います。
若い時は、すごくフワフワとしていた。
他人の意見に流されていたような気がします。
(根っこがなくて、漂っていた)

今は、他人と同じじゃなくてもいいじゃないか。
自分のやり方でやってみればいいじゃないか?と思うことが多くなってきました。

興味があることや挑戦してみたいことがあったら、アレコレ考えてないで行動してみようとする今の私。
アラララ、結構大胆だったりして・・・。

小さい時は病弱で母がいつでも先回り。
自分で考えなくても、母が考えて道を作っていたみたい。
素直で大人しい、どこに行っても邪魔にならない子だったと思う。

今は、どこに行っても邪魔になる逞しすぎるおばさん?
5人の子どもを育てたおかげかな?考えの違いすぎる夫と長く暮らしたおかげかな?

ビオラママ、一緒にもっともっと逞しくなっていこうね。
みんなの力を合わせれば、何かが変わっていくかもね。(*^_^*)
by パク (2007-01-26 22:59) 

ビオラママ

うん!
by ビオラママ (2007-01-26 23:11) 

non♪

ワッ!!ついに書いちゃった。花束Nです、ビオラママ~今晩は♪
いつもいつも、のぞいては感心してました。圧力鍋を心から愛する?ブログ・・だけではなく、ポツリと語る日々のあれこれを読むのが何だか楽しくて羨ましくて、ね。

うんうん・・この本はホント良かった。でも、ビオラママが推薦したときは、少し意外で驚いちゃった。リブのイメージとは違うな~と思ったから。

「わかったフリ」・・私はいまだにやってしまいます。これ、ダメだよね、それでも最近少しづつ言える様になりました、「わかりませーん」ってね(笑)
これも「花束効果」かな?本を選ぶだけではなく、みんなと色んなおしゃべりができるのが本当に楽しいから。発見の連続です。

→「ありのままの自己を生きるのは一定した人格を生きる事とはおよそ反対の事」・・そうか、こんな言葉もあったんだ。
本の紹介、これからもお願いしまーす♪

圧力鍋ってほんとにすごいね。もっと早く使えばよかった・・・
レシピ参考になります。
by non♪ (2007-01-27 01:32) 

ビオラママ

どうもありがとう!(*^_^*)

うん、意外だったかも。
選書会議の時は、なにしろ忙しいでしょ。
1冊についてじっくり語れる時間の余裕がないから、いきおいすごい早口になっちゃうし、言いたい事がうまく言い切れなかったりするのね。

「花束」に紹介文を書く時は、さらに字数制限があるから、本当苦労だよね。

「花束」の紙面で言い切れなかった事をここでみんなが言ってくれたり、読んだ感想を言ってくれる人がいるとイイナー・・・なんて思うのです。
本当にありがとう!
by ビオラママ (2007-01-27 18:01) 

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