母に歌う子守唄 わたしの介護日誌 [お気に入りの本]
生活クラブの書籍のカタログ「本の花束」
今号の巻頭インタヴューに落合恵子さんが登場しています。
お母様の在宅介護を選ばれた日々を語られる落合さんの言葉に、
「介護?またそのときが来たら考えるよ」と思っていた私も本を手にしたくなりました。
(生活クラブに入ってない方で、お友だちが生活クラブの方は見せてもらってくださいね。)
介護の苦労話や行政への問題提起だけに終わらない、現場で言いにくいことを言う勇気と優しさに満ちたエッセイでした。
介護には想像力が必要だと思うんです。
この本は、私の想像力の不足を補完してくれました。
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私の父は高校の教師で、在職中、心筋梗塞で倒れそのまま帰らぬ人になりました。
ですから介護は1日もありません。
15年前、脳梗塞で倒れた義母。
梗塞を繰り返しながらだんだん状況が悪くなり発症後7年で亡くなりました。
その間、父・夫・夫の妹・私・・・家族みんなでの介護。
なにより、1日中つきそってくれる父のおかげで、なんとかなった日々。
私の分担は、離れて暮らす父母の食事の用意と母の入浴の介助。
当時の父母の家は、浴室が寒く、母が冷たくなってしまわないように支えて一緒に入り、お湯をかけながら洗う・・・自分は冷え切ってしまうけれど、大急ぎで出て・・・と大変でした。
あの頃、子ども達の事で悩むことも多く、今までで一番辛かった時期。
常に胸の底に鉛が沈んでいるようなあの日々。
気がつくと、台所の床で寝てしまっていたこともあったっけ・・・。
今は、残された義父も私の母も元気ですが、やがてまた介護の日々が始まることと思います。
今度はヘルパーさん等多くのかたにお世話になるだろうと思います。
その時、私はちゃんと介護される側の気持ちになって物事が運べるだろうか?
用意するもの調べておくもの、父・母が必要とするもの、自分自身が介護を受ける身になったとき、用意しておきたいもの・・・。
経済的な問題も山づみです。
やらなければいけない事が多すぎる毎日ですが、また大きな宿題が出来てしまいました。
ビオラママはいろんな経験を積んでいるのですね。
昨日の日記のような夢に似たことは私もあります。作家の久田恵さんのお母様はお茶を飲みくつろいでいる時に徐々にコトンと動けなくなられたそうです。スローモーションのようだった・・と書かれていたっけ。その後、失語症になり全介助の生活へ。
母の認知症が分かった時、
「無念でしょう、お母様も」
ある知人から、そう言われました。
う~ん・・・この言葉は響きましたね、ずっと耳に残ったかな。
ただ、家族としてはとにかく動かなければいけないし、途方に暮れているわけにはいかないから。かつて、花束で読んだ介護の本を取り寄せたりしました。とてもよかったのは「親のぼけに気づいたら」齋藤正彦著です。
実はこの本の帯を書いていたのが久田さんで、お母様亡き後、お父様が認知症になられ、「この本を読んで、ようやく、本当にようやく父の中で何が起きたのかがわかりました」と薦めていらしたのです。
とにかく介護の本はたくさんあり、中には懇切丁寧に解説しながらも、家族を追い詰めるようなものもあります。でも、この本は介護する家族を応援する気持ちに溢れ、とても勇気付けられました。
介護はまだ先の話、私もそう高をくくっていましたが、ついにきたんだなこれが。逃げたい!というずるい自分もいますし、できる限り精一杯母にしてあげたいと思う気持ちもあるし。
幸いなことに、私には相談にのってくれる友人がたくさんいるので情報交換しながら「介護」というテーマに取り組んで行こうと思っています。
ビオラママ、これからもよろしく♪
by 花束N♪ (2007-05-14 20:48)
花束Nさん、
お返事遅くなり、ごめんなさい。
「介護」というと、とかく暗くなりがちでしかも「とても個人的なこと」という気がしますけど、落合さんのこの本を読んで、とても勇気づけられました。
以前、ホスピタウンという雑誌の中で、眉村卓さんが末期がんの奥さんのために毎日くすっと笑える話を書き続けて4年間1778話まで書いたというお話に感激しました。
田辺聖子さんもご主人の病室で常に笑わせる事を心がけたそうですね。
「笑顔」は、不安を和らげる最大のサービス。
完璧な介護より、やさしい気持ちで接せられる余裕のために、いろいろ楽する方法を探してください。
そして、それを情報として共有できるようになるといいですね(^_^)
はい、こちらこそよろしく♪
by ビオラママ (2007-05-18 22:28)